2016年6月13日月曜日

『Smash 'N' Splash 2』 2日目 DX シングルス TOP 32 他

多くのドラマを生んだ『Smash 'N' Splash 2』の全日程が終了した。DXシングルスではSwedish DlightやnOneなど中堅勢の躍進が目立ったが,頂点に立ったのはやはりこの男Hungryboxであった。PMシングルスではMr.LZが,64シングルスではWizzrobeがタイトルを手にしている。

DX シングルス TOP 32

ビッグネームがずらりとならぶこの大会はベスト32から刺激的な戦いが続く。GOMLで五神の一角Mew2Kingを落として一躍名を上げたファルコン/ガノン使いnOneとLeffenスレイヤーとしても知られるサムス使いDuckの死闘は一見の価値がある。その後nOneはHungryboxに敗れ敗者側に落ちるもKjhを倒して見事ベスト8に駒を進めたが,DuckはWizzrobeに負けてトーナメントを去る。

Swedish DelightとMew2KingのシークミラーはKingが容易にものにすると誰もが予想しただろうが,これが彼の下克上の始まりであった。Mew2Kingが珍しく投げ連や復帰阻止でミスを重ねる中冷静さを保ったSwedishが2-1で勝ち星を上げてベスト8へ。Mew2Kingもその後敗者側でダブルスパートナーPrince Abuを破りトーナメント残留を果たす。

最近目覚ましい躍進を見せているファルコンであるが,今回もWizzrobeとnOneの2人がベスト8に残ることとなった。もう1人の世界クラスファルコンS2JはSwedish DelightとShroomedに敗れて敗退を喫した。結果残ったのはSFAT, Hungrybox, Westballs, Swedish Delight, Mew2King, Wizzrobe, nOne, Shroomedの8名となる。



DX シングルス TOP 8

勝者側準決勝Hungrybox vs SFATはHungryboxの恐ろしく頑健なメンタリティを象徴するセットとなった。接戦の続く4ゲームを終えてゲームカウント2-2で迎えた戦場での最終戦,Hungryboxは本セット2回目となるねむる(下B)のミスに見まわれ大幅なリードを奪われ,1ストック差がついたままHboxは最終ストックに。さらに単純な復帰阻止にも失敗しバースト可能な%に追いつめられる。しかしHboxは決して平静さを失うことなく忍耐強く機会を伺い75%にしてようやくSFATのストックを奪い返す。どれだけリードがあっても少しも油断できないのがこのプリンというキャラクターでありHungryboxという人物である--つかみ1つからねむりにつなげてバーストするまでの時間はまさに刹那的であった。

Westballsは今大会はほぼ一貫してメインのファルコでなくフォックスを使用していた。ファルコでのプレイイングに違わず彼のフォックスもただただスタイリッシュである。しかしメンタルコンディションにムラがある彼は非常に安定したプレイに定評のあるSwedish Delightシークを相手に苦戦する。Mew2Kingを倒した勢いも味方し,Swedish Delightがフルセットの末Westballsを下し勝者側決勝へと向かう。

敗者側ではMew2KingがWizzyことWizzrobeとコントローラーを交える。華麗なステップと計算され尽くした復帰阻止はWizzyファルコンの真骨頂であり,このセットはそれを存分に垣間見ることが出来た。GOMLでnOneがMew2Kingを破った(ファルコンプレイヤーがMew2Kingを大会で倒すのは実に10年ぶりだったと言われる)ことも追い風になってか,自信に満ちたWizzrobeははじめの2ゲームを連取する。しかしKingの内なる炎は消えてしまったわけではない。第3ゲームでWizzrobeの自滅に対して差し出したHomieストックが彼の「格上」としてのプライドを表しているだろう。自身のペースを取り戻したMew2Kingシークは2ゲームを奪い返し勝負は第5ゲームへ。Mew2Kingは精神的に弱いなど誰が言えるだろうか--敗者側で追い込まれた状況から逆転勝利を果たす力があるからこそKingであり「神」でもある。



nOneはDXの「半神」(demigod)の一人とも言われるShroomedと当たる。持ち前のクリエイティブな攻めのスタイルもShroomedを惑わすには至らず,中米出身の英雄はここでステージを後にする。Shroomedは続いてライバルWestballsと対峙し,3-2で敗者側準決勝への切符を得る。Mew2Kingはさきほどの勢いを保ち,マルスを織り交ぜながらSFATを3-0で撃破。ShroomedとのシークミラーでもMew2Kingは終始優勢を崩すことなく3-1で勝利を収める。

勝者側決勝Swedish Delight vs Hungrybox,投げ連という大きな武器が使えない中Swedishシークは果敢にHboxプリンに空中戦を仕掛けに行く。しかし空中はやはりこの男のフィールド,Swedishも各ゲーム健闘はしたものの3-0でHungryboxが下馬評通り決勝に進む。

敗者側決勝はMew2KingとSwedish Delightの再戦となった。シークミラーでは退屈な試合展開を避けるため「投げ連なし」という合意をとることも多い(Shroomed戦は合意があった)が今回は「投げ連あり」の戦いとなった。投げ連や復帰阻止の応酬となるが,どちらも互角の争いでゲームカウントは1-1に。しかしここでM2Kは不可解な選択をする--フォックス・マクラウドのご登場であった。さしずめHungrybox戦に備えてウォームアップしようといった意図であろうか。前半は動きにキレがなくリードを許すも後半に巻き返しこのゲーム(ポケモンスタジアム)を取り2-1に。ヨッシーストーリーでの次のゲームは再びシークに戻したが,今度は序盤の自滅が響き接戦の末落としてしまう。最終ゲームは終点がピックされ,マルスが出てきたかと思われたが登場したのは再びフォックスであった。Hungryboxに勝ちたい気持ちはわかるが,今の試合に全力を集中できないようではこのレベルの相手に勝ちは望めないであろう。Swedish DelightがMew2Kingから合計2セットを奪い取り,Hungryboxへのリベンジを狙いに行く。

Swedishに秘策はあるのか。その答えはどうやらこのキャラクターにあるようだ。


Swedishのレパートリーにルイージはなく,誰もが予想しない展開であった。単なるジョークでまるで勝負にならなければ観客も興ざめだろうが,トリッキーな動きでHungryboxを翻弄するSwedishは思わぬ健闘を見せ,1ゲームを取ることにも成功した。ただ残念ながら奇跡の番狂わせは起こらず,和気あいあいとしたムードでこの大会は幕を閉じた。

最終結果を見てみるとベスト8に2人のファルコンプレイヤーが入り,ベスト4がシーク×3+プリンという異例な様相を呈した大会となった。発売から15年が経過してもメタが変わり続けるこのシーンには本当に驚かされるばかりである。

最終結果
1位:Hungrybox
2位:Swedish Delight
3位:Mew2King
4位:Shroomed
5-6位:SFAT, Westballs
7-8位:Wizzrobe, nOne

結果一覧
https://smash.gg/tournament/smash-n-splash-2-1/brackets/10888/25305/83088

2 件のコメント:

  1. このようなブログを待っていました。
    この夏は大会がとても多いですが、無理のない程度に続けてくださるととても嬉しいです。

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    1. ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです。そうですね、さすがにリージョナル大会まではすべてカバーしきれないですができる範囲でやらせていただきます!

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