2016年7月13日水曜日

はじめてのスマブラ観戦 『EVO』に備えよう!

世界最大級の格闘ゲーム総合大会『EVO (Evolution) 2016』がいよいよ今週末に迫ってきた。『EVO 2016』では昨年に引き続きスマブラからDXとfor Wii Uの2タイトルが採用され、日本からも数多くの選手が出場する。そんな中「これまで大会とか出たことも見たこともないけどちょっと気になる」という人向けに大会の形式・試合の進行などの基本的な知識をまとめてみた。

勝者側・敗者側ってなに?


スマブラをはじめ多くの格闘ゲームの大会は「ダブルエリミネーション」という方式で行われる。これは「敗者復活戦がある」と考えればわかりやすく、一度負けても他の敗者との戦いを勝ち抜けば上に上がれるというもの。負けることなく勝ち進めば「勝者側トーナメント(英語では Winners Bracket)」に残り、一度負けると「敗者側トーナメント (Losers Bracket)」に送られ、ここでまた負けてしまうと敗退となる。

敗者側トーナメントでは、同じラウンドで負けたプレイヤー同士との戦いに加えて、勝者側から新たに送られてくるプレイヤーとの試合にも勝たなければ先に進めない。したがって一度敗者側に落ちると勝者側で勝ち進んだ場合よりも約2倍多くの試合に勝たなければいけなくなる。


上の8名によるダブルエリミネーション方式のトーナメント表で、Mang0というプレイヤーを追ってみよう。

1.上側の勝者側トーナメント第1ラウンドでWestballzに負けて、下の敗者側トーナメントに移る。
2. 同じく勝者側第1ラウンドで負けたSilent Wolfと対戦し勝ち進む。
3. 勝者側第2ラウンドで負けたPlupと対戦し勝ち進む。
4. 敗者側で勝ち上がってきたWestballzと対戦し勝ち進む。
5. 勝者側第3ラウンドで負けたArmadaと対戦し勝ち進む。
6. 唯一トーナメントに残った勝者側Hungryboxと対戦し勝利。
7. Hungryboxと再戦し敗北、敗退。

6でMang0が勝利してもただちにMang0の優勝とはならない。Hungryboxはそれまで負けていないため、そこで一度負けても敗退にはならないためである。Mang0が勝利すると試合が「リセット」され、ここで勝利してはじめて優勝を得ることができる。

今回のMang0のように早期に負けを喫しても上位を獲得できるチャンスがあるという点で、ダブルエリミネーションは一度負けたら終わりのシングルエリミネーションよりも実力を発揮しやすい形式といえる。

BO3とかBO5ってなんのこと?


BO3, BO5はそれぞれ"best of 3", "best of 5"の略で、「3番勝負」、「5番勝負」の意味。すなわちBO3では2ゲームを先取すれば勝利となり、BO5では3ゲーム先取で勝利となる。もちろん同様にBO1, BO7などの形式もあるが、スマブラではBO3とBO5が一般的。

なお『EVO』シリーズのスマブラ種目では伝統的にベスト3の試合(勝者側決勝、敗者側決勝、決勝)のみBO5で行われ、それに至る試合はすべてBO3で行われている。

試合前に色々話し合ってるのはなに?


ステージ選択を行っている。タイトルごとにステージリストが設定されており、ここから対戦する両者が順に拒否するステージを選択、最終的に残ったステージで対戦が開始される(拒否する順番はじゃんけんで決定される)。

なお2ゲーム目以降は直前のゲームに勝利した側が1ステージのみ拒否することができ、敗北した側が残りのステージの中から自由に選択できる。ただし自分がすでに勝利したステージは相手が合意しないかぎり選択できない。また標準的なステージリストではDXのBO5の場合選択可能なステージがかなり限定されてしまうことから2ゲーム目以降拒否はできない。

Apex 2016』にえとの vs Dabuz ステージ選択


各ステージリストは「スターターステージ」、「カウンターピックステージ」に分けられており、1ゲーム目はスターターステージのリストからしか選択できず、2ゲーム目以降はすべてのステージリストから選択可能。カウンターピックステージはほかと比べてやや変則的なステージによって構成されており、公平性を期すためスターターステージとは別に用意されている。

標準的なステージリスト(『EVO』もこれに準拠)
DXスターターステージ:ヨッシーストーリー、夢の泉、終点、戦場、プププランド
DXカウンターピックステージ:ポケモンスタジアム
for Wii Uスターターステージ:戦場(Miiverse)、終点(終点化ステージは除く)、ライラットクルーズ、すま村、村と街
for Wii Uカウンターピックステージ:プププランド(64)、ダックハント

キャラクターは途中で変えてもいいの?自由に変えられたら不公平じゃない?


2ゲーム目以降キャラクターは直前のゲームの勝者から順に選ぶルールになっている。したがって直前のゲームの敗者は勝者の選択キャラを見た上で自分のキャラを決定できる。敗者側が勝手にキャラを変えているように見えても、きちんと相手がキャラ変更しないことを確認した上で行っている。

ゲームのシステム上1ゲーム目のキャラ選択も実質相手のキャラを見て行うことができてしまうが、この部分は基本的に選手の良心に委ねられている。ただし標準的なルールでは不安がある場合は第3者を証人にしてキャラ選択を行うことができる(シークレットオーダー)。

試合が始まったのになんで戦ってないの?高度な心理戦?


試合開始前には規定時間内でウォームアップを行うことができる。行わずにそのまま試合に入ることもできるので観戦している側ははじめどちらかわからないが、明らかに戦う様子がなかったりふざけあったりしている場合はウォームアップであると判断してよい。英語ではhand-warmer, button checkなどと呼ばれる。

時間切れになったらどうなるの?


残りストックが多い方が勝者となる。残りストックが同じ場合は受けたダメージが少ないほうが勝者となり、これも同じ場合には再試合となる(DX, for Wii Uともに1ストック2分間が標準的)。また同時KOによって引き分けとなった場合も再試合となる。サドンデスの結果は関係ないので注意。

Smash 'N' Splash 2』 ZeRo vs Ally


ところでなんでいまさらDX?


YouTubeなどで"SSBM"(DXの英語タイトルの略称)と検索して試合を見てみればきっとわかるはず!

なお『EVO 2016』ではパブリックビューイングもあり日本語での実況解説も聞けるので、ぜひ一緒に日本のプレイヤーを応援して、世界の頂点を決める戦いに熱狂しよう!

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